東京都知事選では小池百合子氏が3選を果たした。今回は、どの政党も候補者に推薦を出していないが、各政党の支持者や「支持政党なし」の有権者はどう動いたのか。本紙が都内の投票所で実施した出口調査から、有権者の投票動向を探った。(榊原智康、山口登史) 

 調査の方法 調査の方法 タブレット端末を使い、投票を終えた有権者に投票先などを入力してもらった。7日に都内120カ所の投票所で行い、5357人から有効回答を得た(集計数字は小数点第2位以下を四捨五入)

◆小池氏、幅広い支持集める

 支持政党別の投票先を見ると、小池氏は自民支持層の7割弱、公明支持層の8割強を固め、戦いを優位に進めた。独自候補の擁立を見送った日本維新の会支持層の3割強、都連が自主支援とした国民民主支持層の3割弱を取り込むなど幅広い支持を集めた。  石丸伸二氏は維新支持層と国民民主支持層のそれぞれ約4割、れいわ新選組支持層の28.4%をまとめたほか、自民支持層の18.6%、立憲民主支持層の10.7%も取り込んだ。

◆蓮舫氏、れいわ支持層が伸びず

 蓮舫氏は国政で所属していた立民支持層と、支援を受けた共産支持層、さらに社民支持層のそれぞれ約7割を固めたが、れいわ支持層は37.8%と伸び悩んだ。自民支持層は4.8%、維新支持層は13.9%、国民民主支持層は11%にとどまった。  田母神俊雄氏は参政党支持層の3割、安野貴博氏は国民民主支持層の約1割の支持を得た。  ◇  ◇

◆無党派層、蓮舫氏は16%にとどまる

 「支持政党なし」と答えた層は33.2%で、自民支持層の26.3%を上回り全体で最多だった。  支持政党なし層のうち、石丸氏に投票したと答えたのは38%で、小池氏の30.6%を上回った。蓮舫氏は16.6%にとどまった。  この層を年代別にみると、20〜60代ではいずれも3割台で、最も多い20代では37.5%を占めた。70代は28.1%、80歳以上は15.8%だった。  この層が投票の際に最も重視した政策は「景気・雇用」が31.9%、「教育・子育て」が31.8%だった。自民党の裏金問題について「大いに重視した」は35.9%、「ある程度重視した」は33.9%だった。  政党支持層を合わせた年代別の投票先は10〜30代が石丸氏が最多を占めた一方、40代以上は各年代で小池氏が最多。蓮舫氏は10〜50代で1割台、60代以上でもそれぞれ2割台にとどまった。  ◇  ◇

◆神宮外苑再開発、伐採に「反対」が7割

 神宮外苑の再開発を巡っては、樹木の伐採に「反対」が69.6%、「賛成」が27.3%だった。賛成とした人の投票先は、小池氏が51.1%で最も多かった。反対とした人の投票先は割れた。最多は小池氏で33.5%、石丸氏が27.1%で続いた。再開発の是非を問う住民投票を公約に掲げた蓮舫氏は25.3%にとどまり、反対派の大きな受け皿とはならなかった形だ。  小池氏の2期8年間の実績をどの程度評価するかを4択で尋ねたところ、「大いに評価する」は13.1%、「ある程度評価する」は54.8%で、合わせて7割弱が「評価する」と答えた。「あまり評価しない」は19%、「まったく評価しない」は11.8%で、「評価しない」はほぼ3割だった。評価するとした人の54.2%が小池氏に投票した。評価しないとした人の投票先は、石丸氏37.5%、蓮舫氏32%、田母神氏6.7%だった。 

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