防衛省は8日、2023年度の自衛官の採用想定人数の充足率が過去最低の51%だったと発表した。1万9598人を募集したところ、9959人の採用にとどまった。最も階級の低い「士」の職務に就く任期制自衛官の候補生に限ると30%ほどだった。
人材確保に向けて8日に初めて開いた「人的基盤の抜本的強化に関する検討委員会」の会合で統計を示した。少子高齢化に加え、高卒新卒者の有効求人倍率が向上し、他の業種との人材の争奪戦が激しくなったと分析する。
対応策として①処遇面を含む職業の魅力向上②人工知能(AI)などを活用した省人化・無人化③OBや民間の活用――を軸に検討を進める。8月までに委員会で報告書をまとめ、25年度予算案の概算要求に反映する意向だ。
検討委のトップを務める鬼木誠副大臣は「防衛力の抜本的強化の実現に必要な人的基盤の強化に関する施策を速やかに検討する必要がある」と語った。
政府はおよそ27万7000人の自衛官の定数は27年度末まで増員しないと表明している。
【関連記事】
- ・自衛隊、サイバー防衛人材の採用枠 専門部隊4000人計画
- ・予備自衛官補、採用上限年齢上げ 34歳未満→52歳未満
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。