過去最多の56人が立候補し、7日投票が行われた都知事選挙では、現職の小池知事が全体の4割にあたる290万票余りを獲得して3回目の当選を果たしました。

選挙から一夜明け、小池知事は8日午後、都庁に登庁すると大勢の職員から出迎えられ、拍手とともに花束を受け取っていました。

その後、3期目の都政運営への協力を求めて都議会の各会派に対し、あいさつまわりを行いました。

小池知事は報道陣の取材に応じ、「これまで進めてきた子どもを優先したチルドレンファーストの政策や介護の人材の確保などが都民のみなさまに響いたことで3期目を担うこととなった」と述べました。

そして、選挙で掲げた公約の中で真っ先に取り組む施策について問われると「第1子の保育料無償化や、多摩地域の給食費について交付金を活用してサポートすることなどの公約は財政の裏付けをきっちり取りながら、速やかに戦略的に組み込んでいきたい」と述べ、子育て支援を充実させていく考えを示しました。

都民の反応は

東京都知事選挙から一夜明け、都民からは期間中の選挙活動のあり方や選挙制度などをめぐってさまざまな声が聞かれました。

板橋区に住む20代の会社員
「あまりSNSを使わない方だが、それでもお勧めなどで候補者の動画が出てきて、かなりネットの効果は大きかったと思う。議論を呼んだポスターの掲示などは『世も末』だなと感じました。本来、政治参加は開かれたものであるべきだとは思いますが、制限も必要なのではないかというジレンマも感じました」

品川区に住む20代の女性
「これまでの政治で日本が良くなっているという実感が生まれてから持てたことがないので既存の政治を脱却して欲しくて投票しました。選挙活動が動画サイトなどの媒体に投稿されそれが収益を生むようなことがないよう何らかのガイドラインが必要ではないか」

日野市に住む19歳の大学生
「投票先を決める上でSNSの影響は大きかったです。候補者自身が発信した動画よりもインフルエンサーがまとめた過去の発言などを参考にしたケースが多かった。10代、20代の感覚だと、街頭で演説をしても意味がなかったと思う」

多摩市の30代の会社員の男性
「本気で東京を良くしようとして政治家を目指しているのか疑問で、入れたい候補もいなかったので、白紙投票をしました。選挙はエンタメではないという意思表示なので、その一票は重いと思っています」

立憲「党の勢いは間違いなく止まる」

立憲民主党では、蓮舫氏が3位となったことに衝撃が広がっています。

党内からは「次の衆議院選挙での政権交代に向けた弾みにしたかったが、党の勢いは間違いなく止まる」という声や「共産党との連携を前面に出した野党連携のあり方が改めて問われる」といった指摘が出ています。

一方で、「共産党の支援がなかったら、もっと厳しい結果になっていただろう」という見方もあり、敗因に加えて、無党派層に支持が広がらなかった要因を分析することにしています。

53人は供託金300万円 没収

今回の東京都知事選挙の候補の得票率を見ると、小池氏が42.8%、石丸氏が24.3%、蓮舫氏が18.8%を獲得し、この3人で有効投票数の85.9%を占めました。

今回の選挙には、過去最多となる56人が立候補しましたが、このほかの53人の得票は、いずれも有効投票数の10分の1に達しませんでした。

53人が法務局に預けた立候補に必要な供託金300万円、あわせて1億5900万円は没収され、東京都に納められて一般財源として扱われます。

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