沖縄県内で米兵らによる性暴力事件が相次いでいたにもかかわらず、政府が県に報告していなかった問題を受け、12日、東京・霞が関の外務省前に学生ら市民約60人が集まり、「米兵犯罪を隠すな」と抗議した。
呼びかけたのはお茶の水女子大学博士課程でジェンダー研究を行う大室恵美さん。「外務省や県警が連携して情報を隠していたことに強い怒りを感じ、本土で暮らす市民として声をあげなければと思った」。SNSなどで怒りを示そうと呼びかけ、応じて集まった人たちが「外務省は隠すな。無視するな。沖縄の声を聞け」などと訴えた。
抗議活動には沖縄県出身の女性も参加した。
うるま市出身の女性(26)は昨年春に就職で上京し、本土で沖縄の問題がほとんど報じられていないことに驚いた。
2016年にうるま市で当時20歳の会社員女性が、米軍属の男によって首をナイフで刺され、殺害される事件が起きた。「近くに住んでいる子だった。ショックだった」といい、「東京にいる自分が声をあげなければと思った」という。
同じく小浜島から昨秋に上京した女性(26)も「(米兵による性加害は)沖縄への構造的暴力。情報を隠すということは、被害の存在を認めないことだ。まずは情報を明らかにするべきだ」と怒りをあらわにした。(大貫聡子)
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