◆年収100万~103万円の妻は計8万円の減税効果
二重取りの例は、世帯主の夫の扶養に入る妻が、パートタイムで働き年収が100万円超から103万円以下で、所得税は納税しないが、住民税を支払う場合に起きる。まず、自身については、住民税の減税しきれない分と、所得税の3万円分を合わせて4万円の減税効果(給付分を含む)を受けられる。 さらに、扶養に入っているので、夫の税金から妻の分として4万円の減税を受けられる。自身で受ける分と合わせると、妻1人で計8万円の効果となる。◆そもそも仕組みが複雑、企業や自治体の負担が大
政府は二重取りを例外とするが、第一生命経済研究所の熊野英生氏によると、所得税が生じない103万円の壁を意識し、労働時間を調整して働く人は少なくないという。そのため、二重取りの件数は少なくないとみる。閣議に臨む鈴木財務相=12日、首相官邸で(佐藤哲紀撮影)
鈴木氏は会見で、二重取りを防ごうとすると、住民税の情報を網羅的に把握するなど、企業や自治体の事務負担がさらに膨大になると説明した。総務省によると返還の仕組みはなく、その必要もない。 熊野氏は「今回の減税は企業や自治体の負担が大きく不評な政策だ。二重取りを容認するようでは不満がさらに膨らみかねない」と指摘する。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。