防衛相経験者などの国会議員や元政府高官らによる台湾有事を想定した机上演習が13日、東京都内で行われた。平時から有事に至るまで事態が深刻化するシナリオに沿って、在外邦人の退避や、相手国の攻撃が迫った場合の「武力攻撃予測事態」の認定など、日本政府に求められる対応について検証した。

◆台湾有事を想定した4回目の机上演習

 シンクタンク「日本戦略研究フォーラム」の主催で、今回で4回目。演習は14日までの2日間で、この日は首相役の小野寺五典元防衛相ら国会議員12人と元政府高官らが参加した。14日は非公開で開催する。

台湾有事を想定した机上演習で議論する小野寺五典元防衛相ら=13日、東京都内のホテルで

 2027年までに中国による台湾への軍事侵攻が迫る過程で、北朝鮮と韓国の軍事的緊張も高まるなど複合事態を想定。武力攻撃予測事態を認定するタイミングを巡り、日本が先に危機をあおったと国際社会から受け止められるリスクと、迅速な国民保護との間でジレンマが生じ、自治体役から認定の遅さに不満が出るなど課題が出た。  また防衛省・自衛隊で大量の処分者が出た特定秘密の漏えいなどの不祥事を巡り、小野寺氏は終了後、記者団に「国民に負担をいただき防衛費を増額する中で、肝心の自衛隊員がこのありさまでどうなのかと強い憤りを持った。しっかり改善してほしい」と政府への注文を述べた。(川田篤志) 

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