安全保障に関わる機密情報「特定秘密」の違法な運用や、手当の不正受給などをめぐる自衛隊員の大量処分を受け、自民党は16日、防衛省から現状を聞き取った。自民議員からは「防衛に穴が開かないか」と隊員の不足や士気の低下を懸念する声が多く出た。

 この日の自民の安全保障調査会などの会合で、同調査会長の小野寺五典・元防衛相は「様々な不祥事が重なり、国民の間に非常に不安が広がっている」とした上で、「最も大切なのは、我が国の防衛に穴を開けないことだ」と強調。鬼木誠防衛副大臣は大量処分について「国民の信頼を裏切る、決してあってはならないもの。深くおわびを申し上げる」と陳謝した。

 出席者によると、木原稔防衛相の責任を問う意見は出なかった。参加者の一人は「隊員の士気もだいぶ下がっていると聞く。課題は山積だ」と語った。会合では、艦艇の戦闘指揮所などで隊員らが行き交う実態と、適性評価を受けて認められた人しか特定秘密を扱えないと定める特定秘密保護法とのズレを指摘する意見も出たが、同省側は「現場に入る隊員に資格をとらせることで法律に合った運用が可能だ」と説明したという。(田嶋慶彦、佐藤瑞季)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。