少子化対策の強化を盛り込んだ子ども・子育て支援法などの改正案は19日午後の衆院本会議で、与党の賛成多数で可決された。児童手当の拡充や、財源確保のため、公的医療保険に上乗せして徴収する支援金制度の新設が柱。改正案は参院審議を経て、今国会中に成立する見込みだ。
野党はいずれも改正案に反対。政府は支援金について「歳出改革などにより実質的な国民負担は生じない」と説明してきたが、立憲民主党の坂本裕之輔氏は本会議での討論で「負担が増えることは、火を見るよりも明らかではないか」と訴えた。
政府は2026年度から支援金の徴収を開始。段階的に引き上げて28年度以降は年1兆円を確保する。こども家庭庁の試算によると、28年度の保険加入者1人当たりの平均負担額は月450円、被保険者平均では800円となる。
保険の種類や年収で額は異なり、大企業の会社員の健康保険組合では被保険者1人当たり850円、公務員らが入る共済組合では950円の負担となる。年収別では年収600万円で1000円、年収800万円で1350円と試算している。
75歳以上の後期高齢者医療制度では350円、自営業者らが入る国民健康保険は1世帯当たり600円。
衆院本会議で少子化対策の強化を盛り込んだ子ども・子育て支援法などの改正案が賛成多数で可決され、一礼する加藤鮎子こども政策担当相=19日午後、国会内
少子化対策の強化を盛り込んだ子ども・子育て支援法などの改正案を賛成多数で可決した衆院本会議=19日午後、国会内
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