兵庫県の斎藤元彦知事らを内部告発した元西播磨県民局長の文書をめぐり、県内企業からコーヒーメーカーを受け取っていた原田剛治・県産業労働部長が6月に県警から任意の事情聴取を受けていたことが分かった。17日に開かれた県議会の産業労働常任委員会で、原田部長本人が明らかにした。

 原田部長は聴取について「文書問題についての事実確認で、犯罪の捜査のための取り調べを受けた事実はない」と述べた。

 元県民局長の内部告発では、斎藤知事のパワハラや県内企業からの物品の受け取りなど7項目が指摘されている。斎藤知事は3月下旬の記者会見で「うそ八百」などと告発内容を否定。その後、県内企業から贈られたと内部告発で指摘されたコーヒーメーカーを原田部長が受け取っていたことが判明した。

 この日の委員会で原田部長は、受け取った経緯についても説明を求められた。だが、「百条委でお答えする」「(記憶が)あいまいなところがある」などと詳細を明らかにしなかった。

 原田部長は、4月の産業労働常任委員会では、昨年8月に斎藤知事と企業視察した翌日に「自分宛てに送ってほしい」と企業側に依頼したと答弁した。また「(知事に)県の商品をPRして欲しい思いがあり勇み足だった」とし、「(庁内の)倉庫に置いて(返却を)失念していた」と述べた。コーヒーメーカーは未使用のまま、3月下旬に返却したという。県は5月、斎藤知事から返却の指示があったが半年以上も返さないままだったとして、原田部長を訓告とした。(高木智也)

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