米軍関係者による性暴力事件について、沖縄以外の全国で2021年以降に摘発された少なくとも5件について、その情報が地元自治体に伝えられていなかった。5件を摘発した青森、神奈川、山口の各県警はいずれも事件を公表しておらず、政府機関による日米の連絡ルートも機能していなかった。

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 各県警によると、多数の米軍基地を抱える神奈川県では、22年に強制性交致傷容疑で米軍人が書類送検され、今年も不同意わいせつ容疑で米軍属が逮捕されていた。岩国基地がある山口県では22年に米軍関係者が強制わいせつの疑いで書類送検され、三沢基地がある青森県でも、21年に強制性交容疑で、22年に強制わいせつ容疑で米軍関係者が書類送検されていた。

 各県警は「被害者のプライバシーなどへ配慮」などを理由に、いずれも摘発時に発表しておらず県にも情報を伝えていなかった。神奈川と山口の計3件はその後不起訴処分になったとしている。

 米軍関係の事件・事故の情報については、「地域社会に直ちに提供する」とした1997年の日米合同委員会合意に基づき、政府機関を通じて自治体に伝える仕組みがある。しかし今年6月以降、沖縄で非公表の事件が相次いで発覚した際、この仕組みが機能していなかったことが問題となり、政府は今月から非公表の事件についても沖縄県に伝達する運用に改めた。

 今回の5件も政府機関から各自治体への連絡がなかったといい、山口県岩国基地対策室は「米軍事件の情報伝達のあり方など、(沖縄以外の)他県についてはどうなるか情報収集したい」と話した。

 横田基地がある東京都の基地対策部によると、21年度以降、米軍関係者の性犯罪に関する摘発を把握していない。

 佐世保基地を抱える長崎県内でも、県警によると21年以降に米軍関係者による性犯罪の摘発事案はなかったという。

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