政治団体「NHKから国民を守る党(NHK党)」の立花孝志党首は18日、東京都知事選(7月7日投開票)の無効を求め、都選管に公選法に基づく異議を申し出た。立花氏は19日にYouTubeに公開した動画で、異議の理由を「明らかに不公平な選挙が行われた」などと説明。ポスター掲示板を巡る都選管の対応を批判した。

「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首

◆選挙無効の異議申し出は4件目

都選管によると、今回の知事選で選挙の無効を求める異議申し出は4件目。都選管の担当者は、東京新聞の取材に「個別の申し出の内容は答えられないが、適切に対応していく」と答えた。 都知事選で、NHK党を含む立花氏の関連団体は計24人を擁立。全体の立候補者は過去最多の56人となり、ポスター掲示板のスペース(48人分)が足りなくなった。都選管は急きょ、届け出が49番目以降の候補者にA3判のクリアファイルや画びょうなどを支給。既設の掲示板の端に取り付けるよう求め、複数の候補者が投開票後、「公正な選挙に反する」などとして都を提訴する事態に発展した。

クリアファイルが外れかけている都知事選のポスター=7月5日、千代田区で

◆訴訟を通じて公選法改正につなげる

立花氏は動画で「『(大量擁立した)お前が言うなよ』となると思うが、無効にしてほしいと本当に思っているわけではない」「制度上、無効を申し出ないと裁判ができない」と述べた上で、都内約1万4000カ所にあるポスター掲示板の「数が多すぎる」と指摘。「2000カ所程度に減らせば、候補者が増えても増設に対応しやすい」などと持論を展開し、「都選管の言い分を聞いてみたい」と語った。今後、訴訟を通じて公選法の改正につなげていく考えも明らかにした。

NHK党などが「販売」した掲示スペースが同一デザインのポスターで占められた掲示場=7月3日、渋谷区で

NHK党など立花氏の関連団体は今回の都知事選で、一定の金額を寄付すれば約1万4000カ所のポスター掲示板のうち1カ所で寄付者が独自に作成したポスターを最大24枚貼れるという形で、ポスター掲示権を「販売」。繁華街やオフィス街などには、候補者と関係のない犬や女性モデルなどのポスターで半分近くが占められる掲示場が現れ、物議を醸した。(佐藤裕介) 

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