海上自衛隊の潜水手当の不正受給問題を巡り、元自衛官がほかにおよそ1千万円を受け取っていた可能性があることが19日、わかった。防衛省は12日に不正額は計4300万円ほどと発表しており、総額は5千万円を超える見込みだ。元自衛官4人が逮捕されていた事実も公表していなかった。
木原稔防衛相は19日の記者会見で、処分公表後の新事実の判明について「国民に適切な情報発信ができていなかったことを深くおわび申し上げる」と謝罪した。「把握できた情報をできるだけ詳しく公表すべきだった」と話した。
元自衛官の4人は2023年11月にいずれも退職後に逮捕された。潜水艦救難艦に所属する潜水士が訓練の記録を偽装して手当を受け取っていた。防衛省は12日に処分のみを発表し、逮捕者は公表していなかった。
木原氏は自身も18日深夜に逮捕の事実を初めて知ったと説明した。「文民統制の要諦が守られていない恐れがあるなら、ゆゆしきことだ」と述べた。経緯を把握し今後のあり方を速やかに報告するよう増田和夫防衛次官に指示した。
防衛省の安居院公仁報道官は19日の記者会見で「人事教育局が適切な判断をしなかったことで防衛相らに報告されていなかった。事実関係を確認して、関係者の処分も含めて厳正に対処する」と言明した。
立憲民主党の泉健太代表は同日の記者会見で、防衛省の一連の不祥事を受け、防衛相の辞任に言及した。「厳しい目で見ている。指導力が足りないということであれば辞任もありうる」と語った。
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