会見でカスハラ条例案について説明する東京都の小池百合子知事
小池百合子知事は同日の定例記者会見で「社会全体でカスハラを防止し、全ての人が対等の立場から互いに尊重し合うことが趣旨。都内で安心して働くことのできる環境を確立したい」と述べた。◆顧客に「言動に注意を払う義務」
条例の基本的な考え方では、カスハラを「顧客などから就業者に対する著しい迷惑行為で、就業環境を害するもの」と定義。あらゆる場でのカスハラを禁じる一方、違反した場合の罰則は設けない。 事業者には、従業員らの安全確保を努力義務とした。顧客には「就業者に対する言動に必要な注意を払うよう努める」との責務を課した。 本来、正当なクレームは業務の改善やサービス向上につながるという考えに基づき、顧客側の権利を不当に侵害しないよう留意するとの規定も設ける。◆8月19日までパブコメを募集
都は同日、条例の基本的な考え方に関するパブリックコメント(意見募集)を始めた。8月19日までインターネットと郵送で受け付ける。 具体的なカスハラの内容や事業者に求める取り組みなどは、都が今後まとめる指針(ガイドライン)で示す方針。 カスハラを巡っては、従業員が休職や離職に追い込まれるケースもあり、連合東京が防止条例の制定を都に要望していた。都は昨年10月、有識者による検討部会を設置。今年2月、小池知事が条例制定の方針を表明していた。(三宅千智)
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