林芳正官房長官は21日、就任後初めての地元入りに合わせて山口県宇部市で記者団の取材に応じ、「地元に帰って、『いずれ自民党総裁に』という声をたくさんいただいた。政治家冥利(みょうり)に尽きることであり、志をしっかりと持って精進を続けたい」と語った。ただ、9月までに行われる総裁選への対応については「岸田内閣の一員としてしっかりと仕事をやっていくことで、政権を支えていきたい」と述べるにとどめた。

 林氏は20、21日、派閥裏金問題で辞任した松野博一氏の後任として昨年12月に官房長官に就任してから初めて地元入りし、衆院山口3区内の5カ所で支持者向けの集会を開いた。集会では自身が起用された経緯について、「大きな原因の一つは自民党の政治とカネの問題だった。気を引き締めて、おわびを申し上げながら、政治への信頼を取り戻さなければならないという大きな決意で就任した」と振り返った。

 岸田首相が率いた派閥「宏池会」で会長に次ぐ座長を務めた林氏は、前回総裁選で派閥の責任者として首相の当選を後押しした。自身も2012年の総裁選に出馬した経験があり、地元では将来の首相候補として期待する声が上がっている。(笹川翔平)

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