立憲民主党と国民民主党が次期衆院選に向けた連携を模索している。自民党が派閥裏金事件で苦境に立たされる中、「与党過半数割れもあり得る」とみているためだが、共産党との関係見直し、原発・憲法といった基本政策の一致など乗り越えるべきハードルは高いままだ。

立民の泉健太、国民の玉木雄一郎両代表は22日夜、連合の芳野友子会長を交えて東京都内で会食した。玉木氏は23日の記者会見で「政策や政局について話をした。(両党が)政権を担うのであれば、国家運営に関わる基本政策の議論・協議は必要ではないかと申し上げた」と説明した。

両党は旧民主党が源流。泉氏は国民民主を「兄弟政党」と呼び、距離を縮めようとしてきた。19日の会見で「自民に代わる政権をつくる覚悟や決意があるのか、各野党に改めて問わなければならない」と表明し、政策ごとに賛同する野党が連携する「ミッション型内閣」構想に重ねて言及した。

国民民主は今年に入り、自公政権との協調路線から対決路線にかじを切った。ガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」の凍結解除を巡る与党との協議は2月に決裂。「野党色」を強め、自民の裏金事件への厳しい批判で立民と足並みをそろえた。

ただ、両党が共闘できるかは不透明だ。玉木氏は22日、泉氏に対し、(1)共産との関係整理(2)安全保障や憲法、原発ゼロといった基本政策での協議―を要求。玉木氏は、立民が綱領で掲げる「原発ゼロ」政策を批判しているが、立民のリベラル系は堅持する方針。立民は先の東京都知事選で共産と共闘して惨敗したものの、衆院選に向けては引き続き「共産票」による底上げに期待する声が多い。

立民の所属国会議員が136人なのに対し、国民民主はその約8分の1にすぎない16人。立民幹部は玉木氏の主張に「少数政党が何を言っているのか」と反発。国民民主にとっても立民との一体化が進めば立民による「吸収合併」が現実味を帯びるとの懸念がある。

(左から)国民民主党の玉木雄一郎代表、連合の芳野友子会長、立憲民主党の泉健太代表

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