政府は29日夕方の臨時閣議で、来年度予算案の概算要求の基本方針を了解しました。

この中では、政策によって費用が増減できる「裁量的経費」について、要求額を今年度予算の14兆2000億円から10%減らすよう求め、その代わりに、削減分の3倍にあたる4兆2000億円規模の「重要政策推進枠」を設けます。

この枠は
▽構造的な賃上げの実現
▽少子化対策
▽防衛力の抜本的強化
など、政府が重要課題と位置づける政策を対象とし、各省庁の要求を受け付けます。

さらに、人件費など「義務的経費」を削減した場合も、その3倍の額を、この枠に追加することを認めます。

また、こうした重要政策については、金額を明示しない「事項要求」もできるとしています。

一方、年金や医療などの社会保障費は、高齢化による伸びを踏まえ、今年度予算から4100億円以内の増額に抑えるよう求めます。

政府は、この方針に基づき、8月中に各省庁からの概算要求を取りまとめますが、厳しい財政状況が続く中、政策に優先順位をつけ、メリハリのついた予算編成を進められるかが課題となります。

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