在沖縄米兵の女性暴行事件が相次いでいる問題を巡り、日本政府は28日、日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を通じ、米国側に事件・事故の早期通報などを求めた。事件の再発防止に向け、米国側は既に在日米軍幹部と沖縄県、地域住民が意見交換する「フォーラム」を新設することなどを表明。上川陽子外相は共同記者会見で、米国側の取り組みを閣僚レベルで確認していく方針で一致したと明らかにした。

◆アメリカ側の取り組み「前向きに評価」

28日、共同記者会見に臨む(左から)米国のオースティン国防長官、ブリンケン国務長官、上川陽子外相、木原稔防衛相

 上川氏は「米国側の措置が確実に実行されることが重要」と指摘した。米国のオースティン国防長官も会見で「遺憾な事件だ」と述べた。  在日米軍司令部は22日に再発防止策を発表し、フォーラム新設のほか、米軍と沖縄県警による合同パトロールの実施や、米兵らに対する飲酒検問の強化などを挙げていた。2プラス2では日米双方が、米国側の取り組みを「前向きに評価する」と強調した。

◆沖縄県への「事前の相談はない」

 フォーラムについて沖縄県の玉城(たまき)デニー知事は、「(米国側が)真摯(しんし)に取り組んでいることの表れ」と評価した一方、「より実効性のある再発防止策」になるように求めている。沖縄県基地対策課によると、フォーラム新設に関して米国側から事前の相談はなく、想定している議題やメンバーを米国側に照会している段階という。  林芳正官房長官は29日の会見で、「詳細について米国側や地元側と調整中」と説明するにとどめた。  米兵の犯罪を巡っては、「米軍人・軍属等による事件・事故防止のための協力ワーキング・チーム(CWT)」の枠組みがある。ただ、2017年以降は開かれておらず、玉城氏らは早期再開を訴えている。(中沢穣) 

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