自民党の福田達夫元総務会長は9日発売の月刊誌「文芸春秋」に9月の総裁選に向けた提言を寄稿した。重要な争点に党改革を挙げ「世代交代・女性登用のための大きなチャンス」と訴えた。「現役世代が身近に感じられる若き政治リーダーがこれまで以上に求められる」と説いた。

小倉将信前少子化相、大野敬太郎元内閣府副大臣と連名で発表した。

総裁選後に閣僚や党役員を年齢や当選回数にとらわれない能力重視で登用するよう求めた。女性活躍の観点から、衆院比例代表の各ブロックで新人の女性候補を名簿単独1位に充てるよう提案した。

党派閥の政治資金問題に関して「責任を取るべき者が責任を取ろうとする政治家としての姿勢に欠けていた」と陳謝した。所属議員への党処分に関して、世論の納得を得られるよう説明を尽くすべきだと唱えた。不祥事が起きた際に原因を究明する体制の確立を掲げた。

社会の動かし方や政局のつくり方など「政治技術」を伝承する場や党内ガバナンスの維持を挙げて派閥の意義を強調した。そのうえで派閥に代わる「政策集団」が政策論争や権力闘争を経て政権担当能力を身につけるべきだと指摘した。

政策を立案する党の政務調査会を疑似的な政権運営の場「影の内閣」として位置づけて人材育成に活用するよう促した。若手経営者ら民間人材の参画も呼びかけた。

福田、小倉、大野の3氏は2012年衆院初当選。福田氏らは21年夏、派閥横断グループ「党風一新の会」を立ち上げ世代交代や党改革を主張した。

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