岸田文雄首相は8月14日、次の自民党総裁選に出馬しない意向を表明しました。6月末で1000日間を超えた在任期間は、平成以降では安倍晋三、小泉純一郎両氏に次ぐ3番目の長さ。これまで岸田政権は何を行い、在職中にどんな出来事があったのでしょうか。あらためて振り返ります。(政治部、デジタル編集部) ▶2021~22年(このページ) ▶2023年 ▶2024年

【2021年】

 岸田政権発足

「国民の声を聞き政策に反映」「多様性を尊重する社会を目指す」方針を閣議決定

 脱原発方針を継続

「可能な限り原発依存度を低減する」と明記したエネルギー基本計画を閣議決定

 衆院解散・総選挙

自民党単独で「絶対安定多数」確保

第2次岸田内閣の初閣議後、記念撮影に臨む岸田文雄首相(前列中央)と閣僚ら=2021年11月10日、首相官邸で(戸田泰雅撮影)

 18歳以下への10万円給付

10万円のうち5万円分をクーポンで支給する方針が批判を浴び、全額現金給付容認に方針転換

【2022年】

 ロシアがウクライナに侵攻

エネルギーや穀物などの国際価格が上昇し、物価高騰に拍車

 新型コロナ感染症のまん延防止等重点措置終了

適用されていた18都道府県を含めて全都道府県で措置解除。以降、緊急事態宣言を含めて発出されず

 マイナポイント第2弾

健康保険証利用申し込みと公金受取口座登録で1万5000ポイントを付与するマイナカード普及策開始

 安倍晋三元首相が銃撃される

安倍元首相が奈良市で参院選の街頭演説中、旧統一教会に恨みを持つ男に銃撃され死亡。首相は「自民党と旧統一教会は組織的関係はない」と明言するも、自民議員との接点が続々と判明

 コロナの流行第7波

1日あたりの新規感染者が26万人超と過去最多を更新。検査キットの不足が顕著に。岸田首相も感染

 原発依存度低減の方針転換

岸田首相が原発の運転期間延長や次世代型原発建設の検討を加速するよう指示

 24年ぶりの為替介入

急激な円安の進行を防ぐため、政府・日銀が1998年6月以来の円を買ってドルを売る為替介入を実施

 コロナの全数把握簡略化

氏名や住所など詳しい報告をする「発生届」の対象を65歳以上や重症化リスクがある人などに絞る

 安倍元首相の国葬

安倍晋三元首相の国葬に反対するデモ2022年8月16日、新宿区で(浅井慶撮影)

主要報道機関の世論調査で「反対」が過半数を占める中、内閣府設置法が「国の儀式」を内閣府の所掌事務と定めていることを根拠に実施

 ミサイルが日本上空通過

北朝鮮の弾道ミサイルが青森県上空を通過し、5年ぶりに全国瞬時警報システム(Jアラート)発信

 全国旅行支援開始

観光需要喚起策として旅行代金を最大8000円割り引く。年末までの予定も延長を繰り返す

 円安進行で1ドル150円

米国の利上げ継続の観測が強まり、1990年以来32年ぶりの円安水準となる1ドル150円台まで一時値下がり

 山際大志郎・経済再生担当相が辞任

岸田首相に辞表を提出した後、記者の質問に答える山際大志郎経済再生相 =2022年10月24日、首相官邸で(平野皓士朗撮影)

旧統一教会との接点が次々に発覚して批判を浴び、事実上の更迭

 葉梨康弘法相が辞任

首相官邸に入る葉梨康弘法相(中央) =2022年11月11日(朝倉豊撮影)

「法相は死刑(執行)のはんこを押す地味な役職」との発言などで批判を浴び、事実上の更迭

 寺田稔総務相が辞任

岸田首相に辞表を提出後、記者団の取材に応じる寺田総務相=2022年11月20日、首相官邸で(安江実撮影)

「政治とカネ」を巡る問題で批判を浴び、事実上の更迭

 旧統一教会への質問権行使

解散命令請求の可否を判断するため権限創設以来初めて行使。計6回繰り返す

 敵基地攻撃能力(反撃能力)保有と防衛増税決定

歴代政権が戦後一貫して否定してきた敵基地攻撃能力保有や防衛関連予算を2027年度に倍増させることを明記した安保関連3文書を閣議決定。財源の一部に充てる所得税などを増税する方針も決定

 秋葉賢也復興相が辞任

岸田首相に復興相の辞表を提出後、記者団の取材に応じる秋葉賢也氏=2022年12月27日、首相官邸で(朝倉豊撮影)

政治資金問題や公選法違反疑惑が浮上し、事実上の更迭 ▶【次ページ】2023年の主な出来事
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