兵庫県の内部告発文書をめぐる問題を受け、県内29市でつくる県市長会(酒井隆明会長=丹波篠山市長)は23日、県政の混乱を収拾するように求めるとともに元西播磨県民局長を公益通報者として保護せず、懲戒処分としたことを「不適切」と指摘する要望書を斎藤元彦知事に手渡した。

 要望書では、元県民局長への斎藤知事の対応について「十分な調査も尽くさず、懲戒処分したことについて、多くの市長から不適切であるとの指摘があった」としている。

 県庁を訪問した酒井会長は斎藤知事に対し、「550万県民のリーダーがご自分のことに追われ、大切な県政が停滞しているんではないかと大変ご心配をしている」と伝えた。

 要望書を受け取った斎藤知事は「ご心配いただいていることについてはおわびを申し上げたい」と陳謝した。内部告発を巡る問題については「百条委員会で事実関係を明らかにしていきたい」と述べた。

 報道陣の取材に対し、酒井市長は「市長会の総意というわけにはいかないが、数多く(意見が)出された。制度そのものを少しないがしろにしているのではないかという思いがみなさんの中にあった」と説明した。さらに個人的な見解として「なぜきちんと話を聞いて調査されなかったのか、不思議でならない。そういった意見は大事にされるべきなのに、されなかったのが不適切だと思う」と述べた。

 一連の問題を受け、今月7日に県市長会が異例の臨時総会を開き、対応を協議した。例年行っている政策要望に合わせ、市の今後の施策に影響が出ないよう斎藤知事に求めることで一致していた。(大久保直樹、谷辺晃子)

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