自民党の総裁選挙はこれまでに、石破茂元幹事長と小林鷹之氏が立候補を表明しています。
河野デジタル大臣は26日午後、記者会見して立候補を表明します。これまでの閣僚経験をもとに構造改革を進め、国際情勢の変化も踏まえながら、外交・安全保障政策に取り組む決意を示す見通しです。
これに加え、複数の議員が今週以降、表明することを決めていて、来月12日の告示を見据え、立候補に向けた動きが本格化する見通しです。
河野氏のこれまで
河野太郎氏は衆議院神奈川15区選出の当選9回で61歳。麻生派に所属し、現在はデジタル大臣を務めています。
総裁選挙は3回目の挑戦です。
アメリカの大学を卒業後、会社勤務を経て1996年の衆議院選挙で初当選しました。
若い頃から総理大臣を目指すと公言し、自民党が野党だった2009年の総裁選挙に46歳で挑みました。
党が政権に復帰したあとの2015年には、安倍内閣で行政改革担当大臣などとして初入閣し、外務大臣や防衛大臣も歴任。
外務大臣として、2年あまりで訪問した国と地域はのべ123に上りました。
菅内閣では規制改革担当大臣を務めたほか、新型コロナのワクチン接種の担当として、供給促進に尽力しました。
2回目の挑戦となった前回・3年前の総裁選挙では、党員票の支持を集め、1回目の投票で岸田総理大臣と1票差の2位につけましたが、決選投票で水をあけられ、敗れました。
岸田内閣ではデジタル大臣に起用され、マイナンバーカードと健康保険証の一体化を推進し、トラブルへの対応にもあたったほか、いわゆる「日本版ライドシェア」の導入など、規制改革に取り組みました。
河野氏はかねて、将来的な「脱原発」などを主張し、歯にきぬ着せぬ言動から「自民党の異端児」とも呼ばれてきました。
一方、先月には、将来の電力需要を踏まえれば、再生可能エネルギーだけでは不十分だとして原発の再稼働も必要だという認識を示し、党内情勢への配慮ではないかとの指摘も出ていました。
今回の総裁選挙に向けては、今月に入り、派閥会長を務める麻生副総裁と会談し、立候補の意欲を重ねて伝えるとともに、記者会見では「閣僚としての経験をいつか生かせる日が来ればと思っている」と述べていました。
父親は元総裁 「X」は250万超のフォロワー
父親は、自民党の総裁も務めた元衆議院議長の洋平氏。
祖父は建設大臣などを歴任した、かつての党重鎮の一郎氏と、政治家一家に育ちました。
学生時代、アメリカ・ジョージタウン大学に留学し、のちに国務長官を務めたオルブライト氏のゼミで外交政策の立案過程を学んだ経験などから、英語が堪能です。
発信力に定評があり、旧ツイッターの「X」には250万を超えるフォロワーがいます。
2002年には、洋平氏の肝臓病の治療で移植に必要な肝臓の一部をみずから提供し、話題になりました。
白地に紫のデザインが印象的な愛用のバッグはイギリス製で、肌身離さず携えています。
「くせの強い果物」ドリアンが好物で、外務大臣時代には、その匂いで省内がちょっとした騒ぎになったこともありました。
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