自民党の河野太郎デジタル相(61)=麻生派=は26日、9月の総裁選に立候補する意向を正式表明した。裏金事件について「政治に対する信頼の回復も急務だ」と述べ、総裁になれば政治資金の不記載があった議員に対し、同額を返納するよう求めるとした。

 国会内で記者会見した河野氏は「日本の政治資金は非課税にしていただいているが、それには報告をきちんとする義務がかかっている」とも強調し、政治資金収支報告書のデジタル化などで透明性を確保する考えを示した。その上で「そうした政治改革で国民の信頼を回復していきたい。これから遂行しなければならない政策を進めるための基本となるのが政治への信頼だ」と語った。

 政治資金の不記載があった現職議員らは計85人。このうち党は、過去5年間の不記載総額が500万円以上の議員らと一部の安倍派幹部を含む計39人を処分したが、500万円未満の議員らは幹事長による口頭注意などにとどめた。

 24日に出馬表明した石破茂元幹事長(67)は裏金事件に関係する議員について「党として公認するからには、やっぱりふさわしい方である必要がある」と述べ、非公認の可能性に踏み込んだ。河野氏も裏金事件に厳しい姿勢を打ち出し、党員の支持拡大を図るとみられる。麻生派には裏金事件に関与した議員はいない。

 朝日新聞が24、25両日に行った世論調査では、次の総裁にふさわしい候補として河野氏の名前を挙げた人は6%で、ともに21%だった石破茂元幹事長、小泉進次郎元環境相(43)だけでなく、高市早苗経済安全保障相(63)の8%に続く4位にとどまった。(小手川太朗)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。