大阪維新の会は25日投開票の大阪府箕面市長選で現職を擁立して敗れた。維新公認の現職が首長選で敗北したのは初めて。維新を母体とする国政政党・日本維新の会で次の衆院選に向けて戦略練り直しが必要との声があがる。
元自民党府議の無所属新人が当選した。日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は26日、記者団に「敗因の分析をしっかりして立て直しを図りたい」と述べた。
敗因に斎藤元彦兵庫県知事のパワハラ疑惑を挙げる声がある。維新が前回の県知事選で同氏を推薦した。箕面市を含む衆院大阪9区選出の足立康史氏が党への批判行為を理由に党員資格停止6カ月の処分中で、活動が制限された影響もあったとの見方も出ている。
府内の地方選は苦戦が続いている。4月の大東市長選や7月の大阪府議選の補欠選挙で公認した新人が負けた。大東市は藤田文武幹事長の地元だ。党幹部は足元の一過性の事象だけが敗因ではないと懸念する。
先の通常国会では政治資金規正法の改正を巡って、岸田文雄政権や自民党に維新の要求を通しきれなかった。維新の国会議員は「維新は改革政党ではないのか」との批判にさらされていると説明する。
党幹部は次期衆院選に向けて「戦略の修正も含めて目の色を変えてやらなければいけない」と語り、地元活動などのテコ入れが必要だとの認識を示した。党内には大阪府や兵庫県の選挙区で議席を減らすとの危機感もある。地盤の大阪、兵庫で苦戦すれば、めざす「全国政党」化はおぼつかない。
箕面市長選と同じ25日投開票の同市議選では維新が議席を伸ばした。自民党の府選出の国会議員は「自民党に追い風が戻ってきたわけではない」とみる。
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