9月15日告示、22日投開票の大阪府摂津市長選をめぐり、地域政党・大阪維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は30日、公認候補の擁立を断念したことを明らかにした。同党に所属していた前府議が無所属で立候補する意向を固めたため、擁立見送りを迫られた形となった。
摂津市長選は、5期目の現職・森山一正氏(80)の退任にともなうもの。20年ぶりの新市長を決める選挙とあって、維新は公認候補の擁立を目指して公募を実施し、候補の絞り込みまで終えていた。
ところが、関係者によると、党の公募に漏れた中川嘉彦氏(55)が異を唱えて26日付で府議を辞職。維新も離党して無所属で立候補する意向を固めたことで、市長選への戦略見直しを迫られたという。
党内には維新として候補擁立を強行すべきだとの声もあったが、「票が割れれば相手候補を利するだけだ」(幹部)との慎重意見もあり、最終的に擁立を見送り、中川氏の辞職に伴う市長選と同日投開票の府議補選に注力することにしたという。
維新は、公認の現職市長が初めて敗れた25日投開票の箕面市長選をはじめ、府内の地方選で苦戦が続いていた。それだけに摂津市長選で巻き返しを図りたい考えだった。
市長選にはほかに、新顔の嶋野浩一朗氏(51)、安藤清美氏(59)=共産推薦=がそれぞれ無所属で立候補する意向を示している。(野平悠一)
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