岸田首相との面会を終え、記者団の取材に答える自民党の石破茂元幹事長(8月30日、首相官邸)

自民党の石破茂元幹事長は2日のBS日テレ番組で、首相に就任した場合の金融所得課税の強化について「実行したい」と述べた。岸田文雄首相も課税強化を掲げていた経緯に触れ「後退してしまった感がある。お金持ちが外に行ってしまうということで(主張を)抑えたのかもしれない」と指摘した。

課税強化をする場合は投資が海外に移らないような対応策もあわせて検討する必要があるとも言及した。

石破氏は27日投開票の党総裁選で上位2人による決選投票に残ったときの対応にも言及した。麻生太郎副総裁に支援を求めるかどうかを問われ「同じ自民党であり大先輩だ。そういう場面がくれば、そういうこともあるかもしれない」と語った。支持を得られるかは「分からない」とも話した。

株式の配当や売買にかかる金融所得課税を巡っては、首相が前回の2021年総裁選で格差是正の一環として「見直し」を公約に盛り込み、税率引き上げに前向きな発言をしていた。首相が総裁選で勝った後に株価が下落したのはこれが一因だとの指摘が相次ぎ、首相も「当面は触ることは考えていない」と軌道修正した。

金融所得課税は一律20%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税を除く)で、累進制でないため高所得者の恩恵が大きい。首相は年間所得が1億円を超えると所得税の負担率が下がる「1億円の壁」を問題視し、金融所得課税の見直しを主張していた。

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