閣議に臨む(左から)鈴木財務相、岸田首相、高市経済安保相(3日午前、首相官邸)=共同

政府は3日の閣議で、2024年度予算の物価高・賃上げ対応の予備費から9891億円を支出すると決めた。多くを電気、ガス、ガソリンの価格を抑制する補助金の財源にあてる。今回の支出分を含め、これらの補助金の予算総額は累計で11兆円を超えた。

内訳はガソリン補助金への7730億円が最も多く、電気・ガス料金支援には2124億円を支出する。このほか、タクシー事業者向けの液化天然ガス(LNG)価格抑制に37億円をあてる。

政府がこのたび使った物価高・賃上げ対応の予備費は24年度予算で1兆円を計上した。実際に支出すると決めたのは今回が初めてで、残りは100億円ほどとなる。一度の支出で1兆円の枠のほとんどを使い切ることになる。

ガソリン価格抑制の補助金は22年1月に、電気・ガス料金の支援は23年1月に始めた。ガソリン補助金にはこれまでに計6兆3665億円、電気・ガス料金の支援には計3兆7490億円をあてており、これらの累計の予算額は10兆1155億円に達していた。

電気・ガス料金の支援は24年5月末に一度打ち切ったが、岸田文雄首相が6月に物価高対策として8〜10月に追加で実施すると表明した。ガソリン補助金も年内に限って続けることにしている。足元は既存の予算で事業を続けているが、経費が不足する恐れがあった。

電気料金は家庭向けで8、9月は1キロワット時あたり4円、10月は2.5円を補助する。都市ガスは1立方メートルあたり8、9月に17.5円、10月に10円を支援する。

ガソリン補助金は基準価格の1リットル168円を超える場合、185円までは超過分の6割を補助し、さらに超える分は全額を補助する。全国平均のガソリン価格が175円を超えないようにしている。石油元売りなどに支給し、卸値を抑えている。

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