防衛費が膨らむ中、財務省の通達に反し、数百億円単位の戦車やミサイルを含む防衛装備品の契約結果の公表が滞っていた―。
この問題について、木原稔防衛相は3日の会見で、「今後は適切なタイミングでの公表に務める」と釈明した。

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<独自>戦車や潜水艦…数百億円単位の契約公表を怠る 防衛予算増額で「作業追いつかず」 財務省の通達違反

◆「契約公表の重要性は認識」

木原稔防衛相=2023年11月撮影

装備品の調達を担う防衛装備庁は公表を怠った理由について、2023年度に始まった防衛予算の増額で「作業が追いつかなかった」と本紙に説明していた。 木原氏は「防衛費が増えたことで、従来よりも取りまとめ作業に時間を要していることはあり得るが、理由にはならない。透明性の確保に向けて契約情報の公表は大事だと考えている」と述べた。 装備庁は、財務省の通達に基づき「契約の翌々月には情報を公表する」との内規を定めていたが、2024年2月分から公表が滞り、2023年度分の大半をウェブサイトから一時削除していた。

◆数百億円単位の兵器も…

演習で実弾を発射する10式戦車=静岡県御殿場市の陸自東富士演習場で、2020年5月撮影

公表が途絶えていた間の契約には、10式戦車9両(契約額126億円)、潜水艦1隻(479億円)、多用途ヘリ13機(315億円)など、数百億円単位の高額兵器が含まれていた。 ペトリオット(421億円)やSM6(135億円)、AIM120(312億円)をはじめ、米国から調達する各種ミサイルも。 コスト増が問題視されている「イージス・システム搭載艦」関連の契約(166億円)の公表も怠っていた。(加藤豊大) 【関連記事】防衛省が過去最大の8.5兆円を概算要求 2025年度予算 「敵基地攻撃」念頭に人工衛星、長距離ミサイル 

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