6日に自民党総裁選への立候補を表明した小泉進次郎元環境相は、記者会見で「自民党を変える。私が総裁になれば古い自民党と決別する覚悟だ」と、党の新たな顔になる意欲を示した。党内には、衆院解散・総選挙を意識して、報道各社の世論調査で「次の首相」候補として人気が高い小泉氏を支持しようとの動きが広がる。

自民党総裁選への立候補を表明し、会見する小泉進次郎元環境相=6日、東京都千代田区で(中村千春撮影)

 派閥裏金事件以来、劣勢が続いてきた自民党。若手議員は「地元に戻ると、裏金を何に使ったのかと厳しい批判ばかり受ける」とこぼす。そうした議員の中には、小泉氏を「選挙の顔」にすえれば、次期衆院選を乗り切れるのではとの算段も働く。ある中堅議員は「選挙が厳しい人ならみんな小泉さんだ」と語り、早くも小泉氏との二連ポスターを作成していることを明かす。  小泉氏もそうした声を考慮したのか、会見で「早期の衆院解散」を打ち出した。自民関係者の一人は、「党勢回復への期待値で小泉人気が高まっている」と分析。小泉氏陣営の議員も「今日の記者会見を見て、応援に回ってくれる議員がもっと増えるといい」と話す。

◆「補ってくれる最高のチームをつくる」

 高い人気とは裏腹に、小泉氏には「実力不足」との評価が常につきまとう。2019年には38歳で環境相として初入閣したが、気候変動問題では「セクシーに取り組むべきだ」と発言。テレビ番組では、「2030年度の温室効果ガス排出を2013年度比で46%削減する」との目標を掲げた根拠について「おぼろげながら浮かんできた」と話す場面もあった。ネット上では「ポエム」「進次郎構文」と発言をやゆする表現も飛び交う。  小泉氏は会見で、自身の過去の発言や、政治経験の浅さを批判する声に対して、「補ってくれる最高のチームをつくる。各国のリーダーと向き合う覚悟はある」などと反論を繰り返した。(坂田奈央) 

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