立憲民主党の代表選が7日告示され、23日の投開票に向けた選挙戦が始まった。野田佳彦元首相(67)と枝野幸男前代表(60)、泉健太代表(50)、吉田晴美衆院議員(52)の4人が立候補を届け出た。派閥の裏金事件で逆風を受ける自民党を追い込み、早期の衆院解散・総選挙に備えて政権交代につながる具体的な道筋を示せるかが選挙戦で問われる。 

立憲民主党代表選の候補者討論会を前に撮影に応じる(左から)野田元首相、枝野前代表、泉代表、吉田晴美衆院議員

◆23日の投開票へ向け論戦スタート

 4人は届け出後、党主催の記者会見や日本記者クラブが開いた討論会などに出席し、主張を展開した。  「政治とカネ」の問題に関し、野田氏は「裏金のような問題がまかり通る政治と決別する」と強調し、枝野氏は「裏金議員やそれをかばう政治家を選挙で落とすことがけじめだ」と語った。泉氏も「自民は政権から退場してもらわなくてはならない」と指摘した。吉田氏は民間企業並みの監査を政治資金に適用する必要性を訴えた。  国民の自民への不信感が強まっているとして、4人とも政権交代の可能性が高まっているという認識で一致。次の衆院選で自民、公明両党の過半数割れを実現させる決意を語った。ただ、現時点では立民単独で過半数を得るだけの候補者擁立が見通せないことから、野党連携のあり方が鍵となる。  共産党との距離感に関し、野田氏は「どの野党とも対話できる環境をつくる」とする一方、「中道に向けたメッセージをもっと出さないと政権は取れない」とし、共産との選挙協力に否定的な姿勢。2021年の前回衆院選で代表として共産との連携を進めた枝野氏も「包括的な連携は難しい」とトーンダウンし、地域の事情に応じて判断するとした。泉氏も「共産とは共に政権を担えない」と明言。吉田氏は、連携相手は「事前に国民に示すのが義務だ」と述べるにとどめた。  日本維新の会との連携について、枝野氏は「方向が違う」、泉氏は「極めて難しい」との見解を示した。  代表選では改憲や原発・エネルギー、安全保障、消費税を巡る考え方も争点となる。4人は論戦を通じて政権担当能力をアピールし、投票権を持つ国会議員や党員らの支持獲得を目指す。(我那覇圭) 

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