離婚後に父母双方が親権を持つ「共同親権」の導入を柱とする民法などの改正案をめぐって、自民、公明、立憲民主、日本維新の会が共同提出した修正案が12日、衆院法務委員会で賛成多数で可決された。法案は来週にも衆院本会議で可決され、参院に送られる見通し。

 改正案は、協議離婚する父母が合意すれば、離婚後の共同親権を可能とする。親権について父母の意見がまとまらない場合や、裁判離婚の場合には、家裁が一方だけを親権者とするか、共同親権とするかを判断する。成立すれば公布から2年以内に施行される。

 家庭内暴力(DV)や虐待の被害経験者らからは、共同親権が導入されれば、離婚後も被害が続きかねないと懸念する声があがっていた。意見対立を調整する裁判所の態勢整備なども課題となっている。厚生労働省の調査によると、未成年の子がいる夫婦の離婚件数は年間約10万件、親の離婚を経験した子は約20万人。法案が成立すれば、単独親権に限ってきた現行制度からの大きな転換となる。(久保田一道)

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