自民党のサイバーセキュリティー対策に関する作業部会(牧島かれん座長)は24日、政府への提言を発表した。重大なサイバー攻撃を未然に防ぐ能動的サイバー防御を巡る法案を早期に国会へ提出するよう求めた。対策の司令塔となる組織を整備するよう訴えた。
提言はサイバー空間を「常時有事」と記し、政府の対策のスピードの遅さを指摘した。「安全保障や経済、社会秩序に大きな悪影響を及ぼすのみならず、世界におけるプレゼンスの低下を招く事態となりかねない」と主張した。
具体的な強化策を①法制度や体制の整備②官民協力と人材育成③国際連携④新たな暗号技術に対応するための政策パッケージ策定――の4本柱で構成した。
提言はサイバー対策の司令塔が一元的かつ主体的にサイバー空間での重大事態に対応できる体制にすべきだと提起した。「内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)」の発展的解消が念頭にある。
今国会で「セキュリティー・クリアランス(適格性評価)」制度の創設を盛り込んだ法案が成立する方向だ。保護対象の情報にサイバーも含まれる見通しのため、機密資格制度の実効性を担保するよう唱えた。官民での情報共有の重要性も説いた。
人材育成面では小学校段階からのセキュリティー教育を拡充させるほか、高度なサイバー人材をプールする仕組みづくりを挙げた。
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