岸田総理大臣の後任を選ぶ自民党総裁選挙は、高市氏が記者会見を開いて立候補を表明します。あわせて、戦略的な外交や人材育成で「総合的な国力」を強化して経済成長を図るとする国家像などを説明するものとみられます。

総裁選挙は3日後、12日の告示に向けて立候補を予定する議員の政策発信や支持拡大の動きが、さらに活発になる見通しです。

高市氏のこれまで

高市氏は、衆議院奈良2区選出の当選9回で63歳。無派閥で現在は経済安全保障担当大臣を務めています。

総裁選挙への挑戦は前回・3年前に続き2回目です。

大学卒業後、松下政経塾で学び、アメリカ連邦議会での勤務やテレビ番組のキャスターなどを経て、1993年の衆議院選挙に無所属で立候補し、初当選しました。

旧新進党などに所属したあと、1996年に自民党に入党。

その後、2003年の衆議院選挙で議席を失いましたが、2年後の選挙で郵政民営化に反対した相手候補の「刺客」として立候補し勝利しました。

保守的な政治信条で知られ、初当選が同期の安倍元総理大臣とも近く、2006年の第1次安倍内閣で沖縄・北方担当大臣として初入閣しました。

2012年に発足した第2次安倍内閣では、政務調査会長に就任。その後、総務大臣を歴代最長の在任期間となる1438日にわたり務めました。

前回・3年前の総裁選挙では、安倍氏の支援も受けて初めて立候補し、1回目の投票で岸田総理大臣、河野デジタル大臣に次ぐ3位でした。

岸田内閣の発足に伴って再び政務調査会長に就任し、おととしからは経済安全保障担当大臣として、重要な情報へのアクセスを限定する「セキュリティークリアランス」制度の創設などに取り組んできました。

今回の総裁選挙に向けては、去年11月から自身に近い議員らと定期的に勉強会を重ねてきていて、先月末にはその内容をまとめた書籍を出版するなど準備を進めていました。

ヘビメタバンドのドラム担当も

奈良県内の共働きの家庭で育った高市氏は、地元の県立高校を経て神戸大学へ入り、アルバイトで学費を稼ぎながら学びました。

目標とする政治家はイギリスのサッチャー元首相。「不人気な政策でも、国家のために必要と思ったら信念を持って取り組む姿勢が好きだ」としています。

熱心な阪神ファンで去年のリーグ優勝時、記者会見で感想を聞かれた際には「18年ぶりということで、死ぬまでにあと何度こういう経験ができるか数えた」などと満面の笑顔で応じ、笑いを誘っていました。

趣味は音楽、オートバイ、ドラマ鑑賞など多岐にわたります。学生時代にヘビーメタル・バンドでドラムを担当したこともあり、アーティストとの親交を深めてきました。

前回の総裁選挙の時もデーモン閣下さんらと面会し、新型コロナの影響を受けたエンターテインメント業界への支援をめぐって要望を受ける場面がありました。

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