9月7日に告示された立憲民主党の代表選挙の4人の候補者は、動画配信サイト「ニコニコ生放送」の討論会に出席し、経済政策を中心に意見を交わしました。

野田元総理大臣は「自民党は大企業優先だが、われわれは個人の家計を重視することが決定的な違いだ。税の再分配としての消費税の還付や、ベーシックサービスの拡充、それに教育の無償化など家計が元気になるような政策を打ち出すことが大事だ」と述べました。

枝野前代表は「アベノミクスで大企業の収益だけは上がったが、国民生活は間違いなく悪くなった。物価高で苦しむ人の暮らしを支えるには、即効性が必要であり、給食費をタダにし、ガソリン税を下げるなど、即効性のあるものを最大限やる」と述べました。

泉代表は「党が主張している給付付き税額控除に加えて、食料品の税率を下げることも選択肢に入れるべきだ。一般の人の資産形成にネガティブであってはならず、NISAには大賛成だ。金融教育もしっかりやり、金融を盛り上げていきたい」と述べました。

吉田晴美氏は「円安や物価高が直撃している食料品の消費税を、時限的に非課税にし、国民に『大丈夫だよ』というメッセージを発していくことが大事だ。個人消費に加え、中小企業をもう一度、強くしていくことが必要だ」と述べました。

枝野前代表「地方の声を大切にすべき」

立憲民主党の代表選挙に立候補した枝野前代表は9日午前、宮崎市内の会合であいさつしました。

この中で枝野氏は政治とカネの問題について「自民党の『裏金問題』は、実態が全然明らかになっておらず、誰もけじめをつけていない。国民の政治不信が高まり『政治なんかどうでもいい』という人が増えたら世の中が良くならない」と述べました。

また自民党総裁選挙に立候補を表明した議員の中から、解雇規制の見直しを求める意見が出ていることについて「時代に逆行している。『人間中心の経済』を掲げて正面から戦いたい」と述べました。

このあと枝野氏は記者団から、代表選挙で地方視察を行う狙いを問われたのに対し「東京の一部の勝ち組だけに目を向けているのが自民党のいまの政治だ。しわ寄せを受けている地方の声を大切にすべきだという視点で回りたい」と述べました。

泉代表「もっと党内の風通しをよく」

立憲民主党の代表選挙に再選を目指して立候補した泉代表は9日、党所属議員の議員会館の事務所にあいさつ回りを行いました。

そして、若手の議員らに対し「新しい党を育てていきましょう」「働く人たちのためにも頑張らないといけない」などと呼びかけていました。

また泉代表は午後、みずからを支援する議員およそ10人などと会合を開き「この3年間、党をまとめ、党再生をここまで持ってこられたと自負している。もっと党内の風通しをよくして遠慮なく先輩と後輩が議論する政党にしていきたい」とあいさつしました。

その上で、自民党の総裁選挙に立候補を表明した議員が訴えている政策について「防衛増税ゼロ、政策活動費の廃止など立憲民主党のまね事の連続で問題外だ。われわれが本家本元として政策を実現しなければならない」と述べました。

維新 藤田幹事長「新しい代表や執行部と意見交換したい」

日本維新の会の藤田幹事長は記者会見で、次の衆議院選挙での立憲民主党などとの候補者調整について問われ「代表選挙に立候補した4人は政策や選挙への対処方針が同じではなく、誰が代表になるかで方針が決まる。あらゆる可能性は否定しないが、われわれの候補者を無理矢理下げるとか、政策論が違うところと協調することはこれまでやっていない。原理原則は外さず、新しい代表や執行部と意見交換したい」と述べました。

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