自民党総裁選への立候補を表明した上川陽子外相(11日、東京都千代田区)

上川陽子外相は11日、都内で記者会見し、自民党総裁選(12日告示―27日投開票)に立候補すると正式に表明した。「首相として難問から逃げず国民の皆さまと新たな日本を築いていきたい」と述べた。「信頼できる政治が求められている」と強調した。総裁選には初めて出馬する。

賃上げや農林水産業の持続性可能性の強化、少子高齢化対策、憲法改正などからなる7項目の重点政策を掲げた。岸田政権で2023年9月以来、外相を務めてきた経験を生かし「どんな困難な状況でも決断してきた。国民の生命、財産を守り、日本の存在感を高める」と語った。

初の女性首相を目指すうえで、女性活躍や地方の活性化の重要性を訴えた。「国民との対話を大事にし、声なき声を政治の真ん中に、届きにくかった女性や子供の声をしっかり受け止める」と話した。

上川氏は岸田文雄首相が会長だった岸田派(宏池会)に所属していた。同派からは林芳正官房長官も立候補を表明している。

安倍、菅両政権で計3度の法相経験がある。法相在任中の18年7月にオウム真理教元代表らの死刑執行命令書に署名した。

岸田政権の発足後には看板政策「新しい資本主義」の議論を自民党内でリードし、働く人の学び直し(リスキリング)の支援策をまとめた経験もある。

衆院静岡1区選出で当選7回。東大卒業後、三菱総合研究所に入社。その後、米ハーバード大院で学び、米上院議員の政策立案スタッフを務めた。コンサルティング会社を立ち上げた後、2000年に政界入りした。

総裁選への出馬を表明したのは上川氏で9人目となる。告示を12日に控え、斎藤健経済産業相らが立候補を目指して推薦人集めを急いでいる。

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