千葉市議会(定数50)の会派「日本維新の会・無所属の会」の桜井崇市議(58)と大平真弘市議(37)が、請願者本人の意思を確認しないまま請願書を自ら作成し、署名して提出したとされる問題で、2人に対する議員辞職勧告決議案が17日の市議会に提出された。採決では同会派に所属する5人が退席し、議長を除く44人全員の賛成で可決された。

 決議に法的拘束力はなく、桜井市議は取材に「(請願者本人から)代理署名の承諾を得ていた。『自作自演』や『偽造』ではない」と反論し、辞職しない考え。大平市議は「問題となった請願書には関わっていない。進退については弁護士と協議中」と話した。2人は同日、会派を退会した。

 決議案は、自民、立憲、公明などの会派が「請願制度に対して社会の信頼を失墜させ、地方自治の運営を揺るがしかねない悪質極まりないもの。政治的・道義的責任は免れない」などとして本会議に提出した。

 決議によると、請願者本人の意思を確認しないまま、大平市議が請願書の本文を作成し、桜井市議が本人の名前を署名して議会に提出した。

 可決後、「日本維新の会・無所属の会」幹事長の守屋聡市議(61)は議場で「すべてが自作自演の請願書となった。市民の権利を冒瀆(ぼうとく)する結果となり、痛恨の極み。会派を代表して深くおわび申し上げる」と陳謝した。

 請願書の紹介議員となった同会派の渡辺惟大(37)、山崎真彦(36)の2市議と、幹事長の守屋市議に対しては、議長による口頭の厳重注意とした。

 請願は、市議が議会で説明する賛成討論の原稿案を市側が提供していた問題を巡り、提供をやめるよう求める内容だった。9日の議会運営委員会で不採択となっていた。(前田基行)

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