立憲民主党の新代表に選出された野田佳彦元首相(23日、東京都内共同共同

自民党内で立憲民主党の新代表に決まった野田佳彦元首相を警戒する声が広がった。野田氏は論戦力に強みを持ち、保守層に支持を広げやすいとの見方がある。

石破茂元幹事長は23日、野田氏の選出を受けて「立民が重厚な安定感で臨むときに、我々が単なるイメージで対峙するのは厳しいのではないか」と記者団に語った。次期総裁選びは刷新感ではなく、経験や論戦力を重視すべきだとにじませた。

松下政経塾で野田氏の後輩にあたる高市早苗経済安全保障相は「しっかりとした保守思想の持ち主で自民党とも近い政策も多々あるのではないか」と語った。野田氏が次期衆院選で保守層に食い込めば自民党にとって痛手になる。

自民党総裁選(27日投開票)で争点となる衆院解散の時期に影響する可能性もある。

野田氏は石川県能登半島での大雨被害を受け、衆院解散よりも2024年度補正予算の成立を優先するよう訴えた。

予算案審議を通じ、新総裁(首相)から失言を誘えば自民の支持率を引き下げることができる。新総裁が補正予算を後回しにすれば「災害対策を軽視した」と批判もできる。

小泉進次郎元環境相は「できるだけ早期に解散する」と主張してきた。補正予算案の編成を迫られれば、早期解散に前向きな発言をしていない他の候補も解散時期の選択肢が狭まりかねない。

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