林芳正官房長官は25日の記者会見で、中国の人民解放軍が大陸間弾道ミサイル(ICBM)1発を太平洋の公海に向けて発射したことに触れた。「必要な情報の収集分析に努めるとともに、警戒監視に全力を挙げていく」と述べた。

林氏は発射の詳細について「日本上空の通過は確認されていない」と説明した。中国からの事前の通告はなかったと話し、「中国の軍事動向などは、その透明性の不足と相まって日本と国際社会の深刻な懸念事項となっている」と見解を示した。

23日にロシア軍の哨戒機1機が日本の領空を3度侵犯したことも踏まえて「日本周辺海空域で短期間に事案が立て続けに起きていることに、強い危機感がある」と語った。

中国国防省は核・ミサイルを運用するロケット軍が午前8時44分(日本時間9時44分)にICBMを発射し、指定した海域に落下したと発表した。日本の安全保障当局者によると、オーストラリアに近い太平洋上の公海に落ちた。「AUKUS(オーカス)」の枠組みで安全保障協力を深める米国や英国、豪州を威圧する狙いとみられる。

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