ネットで検索された候補者は?

まずは候補者名の検索状況を見ていきます。

こちらは、告示前日の11日から25日までの間に、インターネットで候補者名が検索された回数を示したグラフです。
どの候補に関心が集まったのかをうかがうことができます。

告示の12日に最も検索されていたのは小泉氏でした。
次いで、高市氏。前日に立候補会見をした上川氏と続きます。

選挙戦後半、今月18日以降は、高市氏の検索がほかの候補を上回るようになりました。石破氏の検索も後半にかけて増えていました。

総裁選の投稿で関心を集めたのは?

SNSのX上で「総裁選」ということばとともに投稿された政策や政治課題に関することばを集計した図がこちらです。

大きく表示されていることばほど、より多く投稿されていたことを表しています。

期間中、一番多く投稿されていたのは「裏金」でした。
政治資金収支報告書に不備があったことなど政治と金の問題について、候補者が言及を避けていたり、再調査に否定的な姿勢を示していることへの憤りの声がみられました。

また「中国」、「安全保障」、「外交」などといったことばも多く投稿されました。

今月18日に中国の日本人学校の児童が襲われた事件や、今月23日のロシア軍機による日本の領空侵犯などのニュースを受けて、外交・安全保障に関する投稿が増えていました。

また、後半に増えていたのが「災害」ということばの投稿です。

石川県能登地方での記録的な大雨による被害を受けて、総裁選よりも災害対応を優先してほしいといった書き込みが増えていました。

候補者9人全員がYouTubeを活用

今回の自民党総裁選では、9人全員がYouTubeで動画を発信しました。

最初に立候補表明が行われた先月19日以降で投稿された動画の再生回数を見ると、最も見られたのは高市氏でした。

2番目が、小泉氏。最初に立候補を表明した小林氏は3番目、石破氏は5番目でした。

最も再生された高市さんの場合、1日あたりのYouTubeの再生回数は前回、3年前の自民党総裁選挙に立候補した時のおよそ2倍となっています。

YouTubeの発信内容は?

候補者はそれぞれどんな発信をしていたのでしょうか?

まずは高市氏です。
初めてのライブ配信は17万回以上視聴されていて、趣味のバイクやロック音楽などについて、視聴者からの質問に答えていました。

また1分ほどの長さの短いショート動画も毎日、発信し「今日の一言」というタイトルでその日の選挙活動について振り返っていました。

続いて、小泉氏です。
小泉氏は、短いことばをテンポよく重ねて、改革姿勢をアピールする動画を投稿。1万回ほど再生されたものもありました。

また、ポスター撮影の準備風景や、会見前の様子など、活動の舞台裏についても積極的に発信していました。

石破氏は、座ってカメラを見据え、安全保障や防災などについて訴える動画を投稿しました。この動画の再生回数は7000回ほどでした。

また政策面以外についても、好きな鉄道やラーメンについて紹介するショート動画も告示前に投稿して、アピールしていました。

専門家「ネット重視の流れは衆院選でも続くのでは」

選挙での候補者のSNS戦略を調査、分析しているネットコミュニケーション研究所の中村佳美代表は「東京都知事選挙でネット戦略が得票に結び付いたため、各候補がネットを重視しているのではないか。次の衆議院選挙に向けても、この流れは続くのでは」と指摘しています。

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