◆政治資金チェックへ第三者機関案示す
自民党の石破茂新総裁(左)と握手する公明党の石井啓一新代表=28日、東京都千代田区で(布藤哲矢撮影)
「最優先の課題は政治への信頼回復だ。公明党は引き続き連立政権の一翼を担い、不断の政治改革に全力を挙げる」 28日の党全国大会で、石井氏はこう意気込みを語った。政治資金をチェックする第三者機関の設置などに取り組む考えを示し、自民に対応を迫った形だ。来賓として出席した自民の石破茂新総裁は「自公政権があって良かったと国民に思ってもらえるよう全力を尽くす」と協力を呼びかけた。 石井氏が最初に迎える正念場は、石破氏が「なるべく早く」と明言する次期衆院選だ。来夏には都議選と参院選もある。石井氏は党全国大会後の記者会見で、政治不信を受けて厳しい選挙情勢にあると言及した上で「自公が新しい体制で連携を強めることによって逆転させたい」と強調した。◆一時「東京での信頼関係は地に落ちた」と語る
しかし、足元では自民との関係が不安定となっている。昨年、衆院選の選挙区調整を巡り、「東京での自公の信頼関係は地に落ちた」(石井氏)とぎくしゃくした時期もあった。 また、次期衆院選は石井氏自身にとっても難局となる。これまでの比例代表北関東ブロックから埼玉14区に転出するためだ。小選挙区への初挑戦と、代表としての全国行脚の両立は「バランスをとって戦っていく」という。 ただ、会員が高齢化する支持母体の創価学会は集票力の低下が続く。公明の比例代表の得票は2005年衆院選の898万票をピークに、22年参院選では618万票まで減った。 「平和の党」を掲げる公明は近年、連立維持を優先し、安全保障政策などで自民に譲歩を重ねてきた。集団的自衛権の行使容認は、当初の慎重姿勢から賛成に転じた。敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有を認めた安保関連3文書や殺傷能力のある兵器の輸出解禁などは早々に容認した。◆「9条に自衛隊明記」反発は強く
一方で、改憲は公明にとって譲歩が難しい一線といえる。自民がまとめた「論点整理」のうち、公明は緊急事態条項創設の必要性では認識が一致するものの、9条への自衛隊明記は党内での反発が強い。石井氏は会見で「改憲を否定しないが、やり方については若干の違いがある」と自民との温度差を認めた。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。