自民党は、所属国会議員に従来7月末に支給していた政治資金を6月に繰り上げる。国会会期末に合わせた「6月解散」への備えとの臆測も飛ぶが、裏金事件を受けた議員の収入不足を補うのが実際の狙いのようだ。
自民は党総裁の岸田文雄首相と茂木敏充幹事長の連名で支部政党交付金支給通知書を所属議員に24日付で配布した。
党から所属国会議員に対する年4回の支給のうち、4月分を通常の200万円から300万円に増やすほか、従来は7月末だった次の支給時期を6月に前倒しした上で500万円に増額する。内訳は定期の支給分200万円と、従来の200万円から300万円に増額された「夏の活動費」。
通知書の配布直後には、6月の衆院解散の観測が浮上した。ただ、実態は、派閥による政治資金パーティーと、派閥から所属議員への夏の「氷代」の支給が禁止され、「議員が困っている」(党幹部)ため、その寂しい懐事情を考慮した形のようだ。衆院中堅は、党内で不満が強まっているとしたうえで「派閥解散を主導した首相からのおわび金だ」と語る。(佐藤瑞季)
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