与野党は10日、衆院解散を受けた選挙戦を事実上スタートさせた。最大の争点となる自民党派閥裏金事件を受けた「政治とカネ」問題を巡る対応で攻防を繰り広げた。自民は政権公約を発表し、政治への信頼回復に全力を尽くすとアピール。立憲民主党の野田佳彦代表は東京都内や横浜市で街頭演説し、裏金事件を踏まえ「衆院選は国民の怒りを共有する戦いにする」と訴えた。
自民は公約に、政党から党幹部らに支給され使途公開が不要な政策活動費の将来的な廃止を念頭に置くと明記した。小野寺五典政調会長は記者会見で「政治資金の問題は、信頼回復の一丁目一番地だ」と語った。
連立を組む公明党の石井啓一代表は「政治への信頼を取り戻すのはクリーンな政治を旗印にしてきた公明しかない」と強調した。
野田氏は「首相が解散を急いだ理由は裏金隠しだ」と指摘。「多額の脱税もどきがなぜ許されるのか。ペナルティーを与えるのは国民しかない」と力を込めた。
日本維新の会の藤田文武幹事長は会見で「国民は裏金問題への自民の対応に納得していない」と述べた。
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