衆院選で政権打倒を目指す立憲民主党の野田佳彦代表が呼びかけた野党連携がほとんど進まないまま、15日の公示が迫ってきた。日本維新の会が自前の勢力拡大を優先するのに加え、共産党も野田氏の防衛政策に反発して協力を拒否。野田氏はなお実現を模索するものの、時間切れとなる公算が大きい。多くの小選挙区に野党候補が乱立し、与党側が「漁夫の利」を得る可能性も出ている。

 野田氏は代表就任後、維新の馬場伸幸代表や共産の田村智子委員長らと会談し、自民の派閥裏金事件に関係した前議員の選挙区での野党候補一本化を働きかけた。しかし13日時点で両党とそれぞれ100以上の選挙区で競合しており、党本部間の調整は進んでいない。

 難航する大きな要因が、最近の国政選挙で立民と協力関係を構築してきた共産が野田氏の就任後、連携拒否に転じたことだ。

 野田氏は9月の代表選で、従来は両党で共有していた安全保障関連法の見直しに慎重な姿勢を示した。共産は「共闘の基盤が損なわれた」(田村氏)と強く批判した。

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