衆院選に与野党の参院議員7人が任期途中で立候補し、自動失職した。衆院の定数是正や世代交代に伴い、地域に地盤や知名度がある議員らが即戦力として続々と転出した。中には政府や党の要職就任に向けた「ステップアップ」との思惑もあり「参院軽視」の姿勢が透ける。

 くら替え出馬した7人は、自民党の丸川珠代(参院東京)、日本維新の会の音喜多駿(東京)、公明党の山本香苗(比例)、共産党の田村智子(比例)、自民を離党し無所属となった世耕弘成(和歌山)の各氏ら。

 こうした背景には、衆院を参院より格上と捉える風潮がある。現行憲法は、首相指名や予算案採決、条約承認などで衆院の議決が優先されると規定。首相に就く条件は参院を含む「国会議員」としているものの、過去の全員が衆院議員から選ばれている。

 かつて自民の青木幹雄元参院議員会長らが健在だった頃は、政権運営に一定の存在感を示したが、近年はそうした例も少ない。参院関係者は「安易なくら替えは『参院軽視』を助長し、不要論に拍車をかける」と懸念を示す。

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