衆院の三つの補欠選挙が28日、投開票された。自民党は与野党一騎打ちとなった島根1区で敗れ、候補者の擁立を見送った東京15区と長崎3区と合わせ全敗した。派閥の裏金事件を受けて「政治とカネ」問題への姿勢が問われた岸田文雄首相には厳しい結果となり、今後の政権運営への影響が避けられない状況だ。

 3選挙区は、補選までいずれも自民議員が議席を維持していた。今回、自民が唯一候補者を擁立した島根1区は、組織的な裏金作りをしてきた安倍派の元会長・細田博之前衆院議長の死去に伴う。立憲民主党の党県連代表で前職の亀井亜紀子氏(58)が、自民新顔で元財務官僚の錦織功政氏(55)=公明推薦=を破った。

 谷川弥一前衆院議員=自民を離党=の裏金事件を受けた辞職による長崎3区では、立憲の山田勝彦氏(44)と、日本維新の会の新顔の井上翔一朗氏(40)の一騎打ちとなり、山田氏が井上氏を下した。

 東京15区は公職選挙法違反の罪で有罪となった柿沢未途前法務副大臣=自民を離党=の辞職に伴う。立憲や維新、諸派を含む9候補の混戦となった。

 立憲が擁立した地元・江東区の前区議、酒井菜摘氏(37)が、維新新顔の金沢結衣氏(33)、国民民主党や小池百合子・東京都知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」が推薦する無所属新顔の乙武洋匡氏(48)らを破り、初当選を果たした。

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