衆院選で27日、自民党の単独過半数割れが確実となり、石破茂首相(党総裁)の求心力低下は必至だ。首相は政権の維持を図り、物価高対応を含む2024年度補正予算を早期に成立させたい考え。ただ、派閥裏金事件で関係議員らが非公認とされた旧安倍派を中心に、党内に首相への不満が募っている。議席増が見込まれる立憲民主党は裏金事件を許さない姿勢が支持されたとみて、来年夏の参院選を見据え追及を強める。
関係者によると、首相は11月7日の特別国会召集を検討。首相指名を受け、第2次内閣を発足させる構えだ。公明党を合わせた与党で過半数を割った場合、政権維持のため多数派工作が必要になり、状況次第では日程の再調整を迫られる。
一方、立民の野田佳彦代表は衆院選で政権交代を訴えたが、日本維新の会や共産党、国民民主党などとの協力は限定的だった。野党が結集し連立政権を発足させるのも現状では容易ではない。
首相は政権を継続できれば、低所得世帯への給付など経済対策を実行するため大規模な補正予算案を編成。臨時国会で成立させるスケジュールを想定している。
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