立憲民主党と日本維新の会による「野党一騎打ち」となった衆院長崎3区補選は、立憲前職の山田勝彦氏(44)=社民推薦=が圧勝した。

 自民党安倍派だった谷川弥一氏(82)=自民を離党=が裏金事件で辞職したことに伴う補選。長崎県の国政選挙として、自民が結党以来初めて候補者の擁立を見送るという異例の事態となった。

 立憲、維新両陣営とも年内にも取りざたされる解散総選挙をにらみ、自民の「政治とカネ」問題を追及する姿勢を打ち出した。

 勝利を決めた山田氏は28日夜、大村市内の事務所で「裏金問題へのけじめをつけなければならないと、バッジをはずして挑んだ。けじめは国会に戻って真の政治改革を進めることでつけられる」と話した。

 2021年衆院選で谷川氏に約2千票差で敗れ、比例で復活当選した山田氏は「もう変えんば」をスローガンにして選挙戦を展開。「長崎県民はもう二度と裏金、金権政治を許さない」「真の政治改革には、政権交代が必要」などと訴え、自民への批判票を取り込んだ。

 また、谷川氏が地盤としてきた五島など離島で、離島航路の割引の拡大など振興策を積極的に発信。自民支持層の切り崩しも図った。

 一方、党勢を関西から全国へ広げたい維新は、新顔の井上翔一朗氏(40)=教育無償化を実現する会推薦=が、「『政治とカネ』について、政治家が責任をとる覚悟を示しているのが維新の会だ」などと訴えた。

 大阪府・市での行政改革の取り組みなどを例に、「改革する保守政党」と強調して自民支持層へもアピールした。

 だが、維新は長崎に地方議員や国会議員がおらず、国会議員の秘書らが応援に入って選挙運動を支えた。馬場伸幸代表ら幹部も長崎入りしたが、街頭演説に集まる人々は少なく、知名度や組織力の弱さが響いた。

当 53,381 山田 勝彦 44 立前 (2)

24,709 井上翔一朗 40 維新(天野光一、上沢博之)

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