衆院選での与党の過半数割れで、今後の経済対策や予算編成プロセスは見直しが必至の情勢だ。当初は11月中旬にも経済対策を閣議決定し、年内に24年度補正予算案を成立させるシナリオを描いていたが、まずは石破茂首相が政権を維持して首相指名を乗り切るのが先決となる。さらに国会運営では野党の協力を得るための調整が欠かせず、協議が難航すれば補正予算の成立が遅れる可能性もある。
石破首相は衆院選公示の今月15日、福島県いわき市での街頭演説で、補正予算の一般会計歳出は23年度補正の13兆1992億円を上回る規模にすると表明。物価高の影響を特に受ける低所得世帯への給付金や、自治体が地域の実情に応じて活用できる交付金の拡充、電気・ガス代やガソリン料金を抑える支援策を行う方向だった。
28日の記者会見では、経済対策について「党派を超えて優れた政策を取り入れ、検討していく」と説明。他の政党とも協力して取り組む姿勢を強調した。
衆院選大敗で首相の責任論が強まることが避けられない中、政権運営に漂流の危険もつきまとう。
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