衆院選で公示前の4倍となる28議席に伸ばした国民民主党は、与党を過半数割れに追い込んだ野党の中でも特に存在感を高めた。関係者は「手取りを増やす」というキャッチフレーズや社会保険料の軽減といった現実路線の公約が有権者に受け入れられたと分析。「政治とカネ」の問題を起こした自民党や、対決姿勢を前面に出した立憲民主党を避けた「消去法だ」と冷静に受け止める声も上がった。

 「対決より解決」を掲げた国民は、埼玉14区で公明党の石井啓一代表を破るなど11選挙区で勝利。比例代表でも17議席を獲得した。

 静岡4区では前職の田中健氏が自民候補との一騎打ちを制し、小選挙区で初めて勝った。清水唯史県連幹事長は28日、生活に即した政策が支持されたとした上で「政治とカネの問題は大きかった。投票日の3日前くらいから特に盛り上がりを感じられるようになった」と話した。

 一方「消去法で残っただけ」と冷めた評価も。当選したある新人の事務所関係者は「最後、どこかに入れるしかないというときの受け皿になったのかもしれない」と語った。

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