目次
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初入閣の3人は
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再任が16人
総務相に村上誠一郎氏
総務大臣に再任された村上誠一郎氏は、衆議院比例代表四国ブロック選出の当選13回で、72歳。
愛媛県今治市出身で1986年の衆議院選挙で初当選し、行政改革担当大臣や財務副大臣などを務めてきました。自民党では無派閥で活動し、先の総裁選挙では石破総理大臣の推薦人に名を連ねました。
石破総理大臣としては、みずからに近く行財政に知見のあるベテランの村上氏を再任することで地方行政を後押しする政権の姿勢を示すねらいがあるものとみられます。
法相に鈴木馨祐氏
法務大臣に起用された鈴木馨祐氏は、衆議院比例代表南関東ブロック選出の当選6回で、47歳。
先の衆議院選挙で落選した牧原法務大臣の後任です。旧大蔵省の職員などを経て2005年の衆議院選挙で初当選し、これまでに外務副大臣や財務副大臣などを務めました。ことしの通常国会で政治資金規正法を改正した際には、自民党の作業チームの座長として法案のとりまとめなどにあたりました。麻生派に所属し先の総裁選挙では河野太郎氏の推薦人に名を連ねました。
石破総理大臣としては、鈴木氏の政策手腕を評価するとともに40代の閣僚起用によって刷新感を打ち出すねらいがあるものとみられます。鈴木氏は初めての入閣です。
外相に岩屋毅氏
外務大臣に再任された岩屋毅氏は衆議院大分3区選出の当選10回で、67歳。
衆議院議員の秘書や大分県議会議員を経て、1990年の衆議院選挙で初当選しました。これまでに外務副大臣や衆議院文部科学委員長などを歴任し、2018年に安倍内閣の防衛大臣として初入閣しました。ことし2月に自民党麻生派を退会して無派閥で活動し、先の総裁選挙では石破総理大臣の推薦人代表となりました。
石破総理大臣としては、みずからに近く、安全保障分野に精通する岩屋氏を外務大臣に再任することで安定的に外交政策を進めたいねらいがあるものとみられます。
財務相に加藤勝信氏
財務大臣に再任された加藤勝信氏は、衆議院岡山3区選出の当選8回で、68歳。
旧大蔵省で勤務したあと、義理の父親の加藤六月 元農林水産大臣の秘書などを経て、2003年の衆議院選挙で初当選しました。安倍内閣では官房副長官や自民党の総務会長などを歴任し、2020年に発足した菅内閣では官房長官として支えました。厚生労働行政をはじめ、幅広い分野の政策に明るいことで知られ、これまでに厚生労働大臣を3回、務めています。先の総裁選挙に初めて立候補し、「所得倍増」などを訴えましたが決選投票に残ることはできませんでした。加藤氏は旧茂木派の出身です。
石破総理大臣としては、政策通として知られ豊富な政治経験のある加藤氏を再任することで政権運営の安定につなげるねらいがあるものとみられます。
文部科学相に阿部俊子氏
文部科学大臣に再任された阿部俊子氏は、衆議院比例代表九州ブロック選出の当選7回で65歳。
大学の助教授や日本看護協会の副会長を経て2005年の衆議院選挙で初当選し、これまでに外務副大臣や文部科学副大臣などを務め第1次石破内閣で初めて入閣しました。おととし自民党麻生派を退会して無派閥で活動し、先の総裁選挙では加藤勝信氏の推薦人に名を連ねました。
石破総理大臣としては、阿部氏の内政・外交両面の知見をいかし、教育行政を推進していきたいねらいがあるものとみられます。
厚生労働相に福岡資麿氏
厚生労働大臣に再任された福岡資麿氏は参議院佐賀選挙区選出の当選3回で、51歳。衆議院議員を1期務めたあと、2010年の参議院選挙で初当選しました。
これまでに自民党の参議院政策審議会長や厚生労働部会長、それに参議院議院運営委員長などを歴任し、第1次石破内閣で初めて入閣しました。福岡氏は旧茂木派の出身です。
石破総理大臣としては、厚生労働分野に精通した福岡氏を再任することで、政策の円滑な実現を図るねらいがあるものとみられます。
農相に江藤拓氏
農林水産大臣に起用された江藤拓氏は、衆議院宮崎2区選出の当選8回で、64歳。先の衆議院選挙で落選した小里農林水産大臣の後任です。
建設大臣などを務めた父親の故・江藤隆美元衆議院議員の秘書を経て2003年の衆議院選挙で初当選しました。2018年10月に当時の安倍内閣で総理大臣補佐官に起用され、よくとし9月の内閣改造で農林水産大臣として初入閣しました。その後も自民党の総合農林政策調査会長や衆議院災害対策特別委員長などを歴任しました。党内では無派閥で活動しています。
石破総理大臣としては、農業をはじめ幅広い政策に精通している江藤氏を再び農林水産大臣に起用することで政策を着実に実現するねらいがあるものとみられます。
経済産業相に武藤容治氏
経済産業大臣に再任された武藤容治氏は衆議院岐阜3区選出の当選6回で、69歳。衆議院議員の秘書や建築資材会社の社長などを経て、2005年の衆議院選挙で初当選しました。
これまでに外務副大臣や経済産業副大臣などを務め、第1次石破内閣で初めて入閣しました。自民党麻生派に所属し、先の総裁選挙では河野太郎氏の推薦人に名を連ねました。
石破総理大臣としては、企業経営の経験もある武藤氏を再任することで、より実効性のある経済産業政策を進めたいねらいがあるものとみられます。
国土交通相に中野洋昌氏
国土交通大臣に起用された公明党の中野洋昌氏は、衆議院兵庫8区選出の当選5回で、46歳。
このほど公明党の代表に就任した斉藤国土交通大臣の後任です。国土交通省の課長補佐を経て2012年の衆議院選挙で初当選し、これまでに経済産業政務官や党の国土交通部会長などを務めました。ことしの通常国会で政治資金規正法を改正した際には、党の実務者協議のメンバーとして自民党との調整などにあたりました。
石破総理大臣としては、連立を組む公明党の意向を踏まえて中野氏を起用することで、政権運営を円滑に進めるねらいがあるものとみられます。中野氏は初めての入閣です。
環境相に浅尾慶一郎氏
環境大臣に再任された浅尾慶一郎氏は参議院神奈川選挙区選出の当選3回で60歳。銀行員を経て1998年の参議院選挙で当時の民主党から立候補して初当選しました。その後、みんなの党で衆議院議員となり、党の代表も務めました。
党の解散後は無所属を経ておととしの参議院選挙に自民党の候補として臨み国政復帰を果たしました。そして、第1次石破内閣で初めて入閣しました。麻生派に所属し先の総裁選挙では河野太郎氏の推薦人に名を連ねました。
石破総理大臣としては、幅広い分野の政策に明るい浅尾氏を再任することで、政策を着実に実行していくねらいがあるものとみられます。
防衛相に中谷元氏
防衛大臣に再任された中谷元氏は、衆議院高知1区選出の当選12回で、67歳。陸上自衛隊を経て1990年の衆議院選挙で初当選し、防衛庁長官や自民党の安全保障調査会長などを歴任しました。
第3次安倍内閣では防衛大臣として、戦後日本の安全保障政策の大きな転換となった安全保障関連法の成立に尽力しました。また、岸田内閣では人権問題を担当する総理大臣補佐官を務めたほか、衆議院憲法審査会の与党側の筆頭幹事として憲法論議にも取り組みました。中谷氏は旧谷垣グループの出身です。
石破総理大臣としては、安全保障分野に精通する中谷氏を再任することで、政策の推進を図るねらいがあるものとみられます。
官房長官に林芳正氏
官房長官に再任された林芳正氏は、衆議院山口3区選出の当選2回で、63歳。商社に勤務したあと、大蔵大臣を務めた父 義郎氏の秘書官などを経て、1995年の参議院選挙で初当選しました。
参議院選挙には5回連続で当選し、この間、防衛大臣や農林水産大臣、文部科学大臣などを歴任しました。3年前の衆議院選挙で山口3区に立候補して初当選し、岸田内閣で去年9月まで外務大臣を務めました。そして去年12月に自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で辞任した松野前官房長官の後任の官房長官に就任しました。旧岸田派の出身で、先の総裁選挙では同じ派閥出身の議員を中心に支持を集めて1回目の投票で4位となり、第1次石破内閣でも官房長官を引き続き務めました。
石破総理大臣としては、閣僚経験が豊富な林氏を内閣の要となる官房長官に再任することで政権運営を円滑に進めるねらいがあるものとみられます。
デジタル相に平将明氏
デジタル大臣に再任された平将明氏は、衆議院東京4区選出の当選7回で、57歳。東京青年会議所の理事長などを経て、2005年の衆議院選挙で初当選しました。これまでにIT政策や地方創生を担当する内閣府副大臣や衆議院の原子力問題調査特別委員長などを務めてきました。
デジタル政策に精通していることで知られ、自民党のデジタル社会推進本部でAIに関する作業チームの座長も務めました。かつて石破総理大臣が率いた派閥に所属したこともあり、先の総裁選挙では石破総理大臣の推薦人に名を連ねました。そして、第1次石破内閣で初入閣しました。
石破総理大臣としては、デジタル分野の政策に詳しい平氏を再任することで、関連施策の着実な実現を図るねらいがあるものとみられます。
復興相に伊藤忠彦氏
復興大臣に再任された伊藤忠彦氏は、衆議院比例代表東海ブロック選出の当選6回で、60歳。愛知県議会議員を2期務めたあと、2005年の衆議院選挙で初当選し、これまでに総務政務官や環境副大臣などを務めました。
そして、第1次石破内閣で初入閣しました。先の自民党総裁選挙では河野太郎氏の推薦人の1人として名を連ねました。伊藤氏は旧二階派の出身です。
石破総理大臣としては、復興や環境分野を中心に伊藤氏の豊富な経験や実績を評価し、再任を決めたものとみられます。
国家公安委員長に坂井学氏
国家公安委員長に再任された坂井学氏は、衆議院神奈川5区選出の当選6回で、59歳。衆議院議員の秘書を経て、2005年の衆議院選挙で初当選しました。
これまでに財務副大臣や総務副大臣などを歴任し、菅内閣では官房副長官を務め、第1次石破内閣で初入閣しました。自民党では無派閥で活動しています。
石破総理大臣としては、菅副総裁に近い坂井氏を再任することで、政権基盤を固めたいねらいがあるものとみられます。
こども政策相に三原じゅん子氏
こども政策担当大臣に再任された三原じゅん子氏は参議院神奈川選挙区選出の当選3回で、60歳。俳優としてテレビドラマなどで活躍したあと、2010年の参議院選挙で初当選しました。
その後、厚生労働副大臣や自民党の女性局長を務めたほか、岸田内閣では、男女共同参画などを担当する野田少子化担当大臣の大臣補佐官にも就任しました。
また、44歳の時にがんを患って闘病した経験から、命や健康を守る政策のほか、女性の雇用をめぐる問題などに取り組んできました。そして、第1次石破内閣で初入閣しました。党では無派閥で活動し先の総裁選挙では小泉進次郎氏の推薦人に名を連ねました。
石破総理大臣としては、知名度のある三原氏を再任することで、女性活躍を推進する姿勢を示すねらいもあるものとみられます。
経済再生相に赤澤亮正氏
経済再生担当大臣に再任された赤澤亮正氏は、衆議院鳥取2区選出の当選7回で、63歳。国土交通省の職員を経て、2005年の衆議院選挙で初当選しました。これまでに、内閣府副大臣や財務副大臣、それに、衆議院環境委員長などを歴任しました。
自民党では、かつて石破総理大臣が率いた派閥に所属したこともあり、先の総裁選挙では、石破総理大臣の推薦人に名を連ねました。第1次石破内閣で初入閣し「防災庁」の設置準備も担当しています。
石破総理大臣としては、みずからに近く経済や防災の分野の政策に明るいことで知られる赤澤氏を再任することで、重視する政策を前に進めたいねらいがあるとみられます。
経済安保相に城内実氏
経済安全保障担当大臣に再任された城内実氏は、衆議院静岡7区選出の当選7回で、59歳。外務省の職員を経て2003年の衆議院選挙で初当選し、2005年に郵政民営化関連法案に反対して自民党を離党しましたが、その後、復党しました。
これまでに外務副大臣や環境副大臣のほか、衆議院外務委員長などを務め第1次石破内閣で初入閣しました。城内氏は旧森山派の出身です。
石破総理大臣としては、外交経験を通じて経済安全保障分野にも精通した城内氏を再任することで、関連施策のいっそうの強化を図るねらいがあるものとみられます。
地方創生相に伊東良孝氏
地方創生担当大臣に再任された伊東良孝氏は衆議院比例代表北海道ブロック選出の当選6回で、75歳。
北海道議会議員や釧路市長を務めたあと、2009年の衆議院選挙で初当選し、これまでに財務政務官や農林水産副大臣などを歴任しました。先の自民党総裁選挙では、石破総理大臣の推薦人に名を連ね第1次石破内閣で初入閣しました。伊東氏は旧二階派の出身です。
石破総理大臣としては、自治体の実情などに詳しい伊東氏を再任することで、自身が力を入れる地方創生分野の政策を着実に前に進めたいねらいがあるものとみられます。
初入閣の3人は
法務大臣として初入閣する鈴木馨祐氏は、総理大臣官邸を出る際、記者団に対し、「総理からは、『さまざまな懸案もある担務なのでしっかり頑張ってくれ』との言葉をいただいた。日本のさまざまな法制度、法治国家としての基盤や基礎に関わる大臣職であり、きちんと国民の安心安全を守れるよう全力で取り組んでいきたい」と述べました。
国土交通大臣として初入閣する公明党の中野洋昌氏は総理大臣官邸で記者団に対し「国土交通省は国民の命と暮らしを守る、まさに安全安心を守るという大変に重大な責務のある役所なので身の引き締まる思いだ。しっかりとお役に立てるよう全力で仕事にまい進してまいりたい」と述べました。中野氏は国土交通省の課長補佐をへて衆議院議員となったという経歴をもっていて「もともと行政で仕事をしていたところは間違いなく生かせると思うし、政治家になってからは国土交通以外の分野を中心に活動してきたので国益という観点から幅広い立場で行政を見ていきたい」と述べました。
農林水産大臣に起用された江藤拓氏は記者団に対し、「石破総理大臣からは、『農政の転換点において責任は重大だからしっかりやってくれ』という話だった。2度目の農林水産大臣だが、前回とは違って、熟議の国会にしないといけないので、野党にも、より現実的な歩み寄れるようなご提案をいただきたいと思うし、その提案については真摯に受け止めて応えていきたい」と述べました。一方、農業予算については、「これから新しい農政の形を作っていく、構造を転換するということだからそこには新しい予算の仕組みが必要だ。農林水産予算を増やしていくことは当然の願いだ」と述べました。
再任が16人
第2次石破内閣の閣僚は、第1次石破内閣の閣僚のうち先の衆議院選挙で落選した2人と公明党の代表に就任した1人の合わせて3人を除く16人が再任されました。新たに起用された3人では初入閣が2人、閣僚経験者の再入閣が1人となっています。
平均年齢は61.95歳 1.6歳若く
石破総理大臣と19人の閣僚の平均年齢は第2次石破内閣が正式に発足する11日の時点で61.95歳と、第1次石破内閣発足時の63.55歳よりも1.6歳若くなっています。最高齢は地方創生担当大臣に再任された伊東良孝氏で75歳。最年少は国土交通大臣に起用された中野洋昌氏で46歳です。石破総理大臣と19人の閣僚を年代別にみますと70代が2人、60代が12人、50代が4人、40代は2人です。40代の2人はいずれも初入閣です。
女性の入閣は再任2人
女性の入閣は再任された阿部俊子氏と三原じゅん子氏の2人で第1次石破内閣から変わりませんでした。
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