【リマ=三木理恵子】石破茂首相は15日(日本時間16日午前)、訪問先のペルーでバイデン米大統領と会談した。日米同盟の役割が一層重要な局面にあるとの考えを共有し、協力関係をさらに強固にすると確認する。トランプ次期政権の発足前に、経済や安全保障分野で日米間の認識を擦り合わせる。

ペルーで開催中のアジア太平洋経済協力会議(APEC)に合わせて面会した。両首脳は10月に石破政権が発足してすぐ電話協議したが、直接会って話すのは初めて。

首相は岸田文雄前首相とバイデン氏が築いた日米関係を発展させていきたいと伝える。およそ3年の間に、日本の防衛力強化にあわせて自衛隊と米軍がアジアの有事に共同で備える環境ができた。日米豪印の枠組み「Quad(クアッド)」や日米韓協力も定着した。

アジアの安全保障環境は激変している。中国は2020年と24年を比べると、国防費が現時点の円換算で1.3倍の35兆円に増えた。台湾有事への懸念が深まるほか、日本周辺でも軍用機や軍艦による挑発行動が頻発している。

ロシアと北朝鮮はロシアによるウクライナ侵略後、急接近している。北朝鮮はロシアに北朝鮮兵を派遣し、ロシア軍の戦闘作戦に参加し始めた。11月中に核実験を実施する観測も出ている。

首相はバイデン氏と会った上で、トランプ次期大統領との早期の会談も望んでいる。トランプ氏は多国間協力よりも2国間のやりとりを重視する傾向にある。日本はアジアの安全保障体制への米国の関与継続などを求めていく。

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